尊敬の擬似体験

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すごく久しぶりに尊敬のまなざしで見つめられた。注目を浴びている作家さんたちの中に混じってうろちょろしていただけだったのだけれど、同じ作家のひとりと思われたようで「ご挨拶がまだでしたよね」と礼儀正しく声をかけていただいた。その方は背広を着ていて髪も肌もビシッと決まっていて、内側からケアされている感じが、この人自体を上質にさせているように見えた。そんな人がわたしのことを何か素晴らしい人だと思って、キラキラした目で見つめてくれている。こっちの体まで浄化されるようで、戸惑いながらもうっとりしていると、横から「あ、違います」と正されて、その一瞬の光は消えてしまった。一応名刺をいただいた。繊細な紙質ゆえに少し透けていて、肩書きに漢字四文字彫られていてかっこよかった。その時の気持ちよさを思い出せるようにしておきたいなと思い、ボックスの一番上に名刺をしまった。

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